勢至菩薩

 

無量寿経に「智慧の光を以って普く一切を照らし、三途を離れて無上力を得しむ。この故にこの菩薩を号して大勢至と名付く」と説いている。三途とは、三悪道または三悪趣の別称で地獄道、畜生道、餓鬼道また亡者の行くべき三つの途。猛火に焼かれる所、火途(地獄道)と互いに相食む所、血途(畜生道)と刀・剣・杖などで強迫される所、刀途(餓鬼道)をいう。

観音が慈悲門であるのに対して、勢至は智慧門を司り、智慧の光を以ってあらゆるものを照らして、その苦を除く菩薩である。

極楽浄土への来迎の補処の菩薩として、観音が蓮台を持ち、勢至が合掌して阿弥陀如来の左右に随う。

像は、冠中に宝瓶の標識がある。