鞍馬街道

 私は鞍馬街道というと、スタスタ坊主をおもいだしてしまう。鞍馬寺の大きな石段の下に鞍馬街道が走っている。その街道に沿って、京格子のふるめかしい民家がびっしりならび、山峡(やまあい)の風が吹きぬけているあたり、いかにも古街道のおもかげがのこっているが、この民家の軒下にひと群れのスタスタ坊主を配すればそのまま江戸中期の風景になる。
  街道をゆく (4)  司馬遼太郎 より