19 三諸は 人の守る山


歌 作者不詳
 巻13−3222
筆 久松潜一

地図
三諸者
人之守山
本邊者
馬酔木花開
末邊方
椿花開
浦妙山曽
泣見守山
みもろは
ひとのもるやま
もとべは
あしびはなさき
つばきはなさく
うらぐはしやまぞ
なくこもるやま
三諸は
人の守る山
あしび花咲き
末べは
つばき花咲く
うらぐはし山ぞ
泣く兒守る山
三諸山は、人が大事に見守る山である。麗の方では馬酔木が咲き、
頂の方では椿が咲く。
心ひかれる美しい山よ。(泣く子を)守るという山は。

三諸(みむろ)は、みもろともよばれ、御降り(みもり)によるものであろう。
泣く子:守る山にかかる序詞
下三句を五・三・七で結ぶのは古い謡の形式。
三輪山は467mの円錐形。造型美のある美しい山で、
大和盆地の東縁にある。