4頭立ての馬(2頭欠如)、ディオニュソス、デメテル母娘、女神イリス | ヘスティア、ディオーネ、アフロディテ | 馬の首 | |
4頭の馬のうち2頭分のみが残されている。その右は半臥の男子像は、ディオニュソスである。柔らかい布に覆われた台によるその姿は、完璧な男子像として、古来彫刻家の模範とされてきた。切断された手が持っていたものは杯であった。 その隣の婦人像は、デメテルとその娘コレー(結婚後はペルセポネ)とされている。二人は身体を寄せ合って、ドーリス式衣裳をまとっている。この二人はひだの入った布で覆われた箱の上に腰をおろしている。これが床几であるか小箱であるかによって女神の戸籍が違ってくるらしいが、箱とみて女神デメテルとその娘ということに落着しているとのこと。 その隣は、ドーリス式衣裳を風にはらませている女性は虹の女神イリス(英語アイリス)とされている。この女神の視線は中心に向けている。アテナ誕生の奇跡に気づき、知らせをどこかに駈けつけようとしているのかもしれない。 その右から始まる奇跡を見つめる神々の群像と奇跡を演ずるアテナとゼウス像、さらにその右にあったはずの神々の群像は全く失われている。 右翼の3体の婦人像は、左翼の女神がドーリス式衣裳をまとっているのに対し、イオニア式衣裳をまとっている。右端の一人、長々と体を伸ばし、隣の女神に肘を置いて横たわる女神、胸も露わに見事な脚線を見せる素晴らしい肉体。これこそ愛の女神アフロディテ、英語ではヴィーナス、その原型である。アフロディテを膝の上に抱く女神は、その母ディオーネ。その左は台所の女神でゼウスの姉妹ヘスティア。 右隅に馬の首がある。左端の陽の神ヘリオス(右手がわずかに見える)の馬が首を上げて猛々しく描写されるのに比べ、ゆるやかに夜の海に入って行くセレーネの馬らしく、おだやかな表情である。 |
|||
神話伝説のアテナ誕生の物語の陶器画とか、ローマ時代のギリシャ神話彫刻から、中央部分を欠いている。 これは、ビザンチン時代にパルテノン教会として使われていた時代に、明りとりをここにつけたために失われたといわれている。 |
|||
だいえい はくぶつかん —はくぶつくわん【大英博 物館】〔British Museum〕 ロンドンにある英国最大の国立博物館。1759年開館。ギリシャ・ローマ・エジプト・アジアなど,古今東西にわたる数多くの重要な資料・芸術品・書籍などを所 蔵。 1973年に大英図書館を分離。 大辞林 第三版 |
|||
23年前の初めての海外旅行はギリシャ、そして宿泊先はパルテノン神殿が目の前にあるホテルであった。夜は照明が灯されていて 神殿がくっきりと浮かんでいた。 当時、ギリシャ人の案内でパルテノン神殿について説明してもらったが、神殿の上にある彫刻はイギリス人に持ち去られ大英博物館にあると、 悔しそうな顔をして説明されたことを今でも思い出す。この様な訳でパルテノン神殿は印象が深く、彫刻について気になり忘れることができなかった。 この彫刻が説明通りここの博物館にあった。遠い過去を思い出しながら、現実に自分の目の前にあることの不思議さを感じつつ、胸の高鳴りが 静まるのを待って、鑑賞に耽った。 現在両国間で、この彫刻の所有権について論争中であるが、円満に解決してほしいものである。 |
ギリシャ アテネにあるパルテノン神殿。 三角形の屋根のところに本来彫刻があった。 地図 法隆寺金堂壁画再現模写 |
夜ホテルから丁度この様な状態に見えた。 | 23年前の私ですから、 今この姿の者は地球に は存在しません。 |
8万点にも及ぶ古今東西の重要な遺物、美術品、書物などが収集された世界最大規模の博物館。 入館料は無料。写真撮影フラッシュも含めて可能。 |
・