23 痛足川 川波立ちぬ

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歌 柿本人麻呂
 巻7−1087
筆 棟方志功

地図
痛足河
河浪立奴
巻目之
由槻我高仁
雲居立有浪志
あなしがわ
かわなみたちぬ
まきもくの
ゆつきがたけに
くもいたてるらし
痛足川
川波立ちぬ
巻目の
由槻が嶽に
雲居立てるらし
 痛足河の河浪が立っている。巻向の弓月ガ嶽では雲が立っているよ
うだ。

 痛足川は穴師川で巻向川と同じで、穴師の里を流れる間の呼び名であり、
車谷を西流する小川である。
川波が高まるというのは、すでに山頂に雲気をはらむからで、
下句に雨雲の気配を歌った。
 今の穴師川は水泡が立つ程の流れはない。
 由槻が嶽(弓月が嶽)がどこを指すのか、巻向山の峰の二つのいずれか
ともいわれているが不明。
道から一段低くなったところでわかり難いが、
是非とも見つけて鑑賞してもらいたい。
巻向川、西に流れている。歌碑26⇒
板画家棟方志功の力強い文字が彫りこんであり、
拓本にとりたい石碑の一つである。