高屋山上陵(たかやのやまのえのみささぎ)地図

 皇室の御先祖として初めて日向の國(南九州)統治された神代三代の二代目で、人皇初代神武天皇の御祖父にあたるとされる。  
 標高390mの山の頂にある。御陵の形式は二段山造りの楕円形状の円墳で御拝所から正面上、高さ約60mの山頂に築かれている。
鹿児島県下神代三山陵の一つで、火遠理命(彦火火出見尊・ひこほほでみのみこと・山幸彦)の御陵とされている。
 御陵は、古事記に「日向の高千穂の西に在る」と記され、日本書紀には「高千穂の西、高屋の山の上に葬る」とある。
伝承に名高い長子・火照命と末子火遠理命は海幸彦・山幸彦神話の主人公となっている。
 この末弟神が天孫の家系を継ぐ話は、日本で多くみられる末子(ばっし)相続をあらわしている。
 海幸彦と山幸彦⇒⇒⇒ 
 火遠理命は日本書紀の一書によれば火折命(ほおり)とある。この名の意味は、火の方からみると、火の勢いが弱まることであり、穂の方から解すると、稲穂が実って重く撓(たわ)むことである。日本書紀には火火出見と書かれており、穂からみると、穂がたくさん出て実るの意味、火の方で解せば産屋の火の中から出現された神という意味である。
 この神はまたの名を天津日高日子穂穂手見命というが、天津日高は父神・瓊瓊杵命にも共通して冠されている語で、天に輝く意をあらわしている。 
日向神話関連図⇒⇒⇒ 
明治五年、明治天皇が御遥拝されたのをはじめ、歴代天皇、皇族方の御参拝が相次いでなされている。
200段余りの石段を登ると、小さな社務所がある。