20 鳴る神の 音のみ聞きし


歌 作者不詳
 巻7−1092
筆 千宗室

地図
動神之
音耳聞
巻向之
檜原山乎
今日見鶴鴨
なるかみの
おとのみききし
まきむくの
ひはらのやまを
きょうみつるかも
鳴る神の
音のみ聞きし
巻向の
桧原の山を
今日見つるかも
雷のような大変な評判だけ聞いていた、この巻向の桧原の山を、
やっとのおもいで今日は見たことよ。

「鳴る神の」は音にかかる枕詞。この「音」は、噂、評判の意で、巻
向の桧原の木立の様子が素晴らしいことは一般によく知られてい
たの意。
左から、穴師山・巻向山三輪山
箸墓古墳付近からの眺め