巻向山(まきむくやま) 地図
景行天皇陵を桜井方面にすぎ、左前方(西)、三輪山の北東に位置する。 山頂を弓月ガ岳といい、古代信仰の山として万葉の昔から多くの人に親しまれ、 歌われた。 標高567m |
巻向山は三輪山の東北尾根つづきにあって、初瀬山と背中合わせになっている。そして、巻向川は山の南麓を洗って 西流し、南初瀬川と併行しているが、この両川を三輪の大水垣といい、川に挟まれた地域を垣内(かいと)といって不浄 を避け、墓地も作らぬことになっている。巻向山はまたの名を穴師(あなし)山・痛足(あなし)山ともいい、山頂を弓月 (ゆつき)岳・由槻岳と呼ぶ。柿本人麻呂などの万葉の歌人によってしばしばよまれた所である。 巻向の 山辺響みて・・・ 痛足川 川波立ちぬ・・・ 足引きの 山かも高き 巻向の・・・ あしびきの 山川の瀬乃・・・ ぬばたまの 夜さり来れば 三諸の山なみに・・・ 巻向の 桧原もいまだ・・・ |
巻向川が巻向山の北から流れ出す谷を「車谷」と呼んでいる。この巻向川の流域に沢山の水車があったので「車谷」 と呼ばれるようになったという。水力を利用して製粉精米などが行われていた。素?の製粉もここで行われて三輪素? がこの地の特産となった。 厳冬の一月から二月、小麦粉を夜中にひいて練、りつくられた素?が翌朝干し広げられる光景は、車谷を特徴づける 情緒あふれる風物詩であったという。 |
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