110経津主神ふつぬしのかみ

 伊邪那岐神が火神の火之夜芸速男神(迦具土神)を斬ったとき、剣から滴る血が固まって天安河辺(あめのやすのかわべ)の五百筒磐村(いおつつのいわむら)になった。これが 経津主神の祖となった。
 また、一書では血に染まった岩群を磐裂神(いわさく)・根裂神、古事記では36石柝神37根柝神)といい、その御子磐筒男(38石筒之男神)、磐筒女が生んだのが経津主神であるとしている。
 フツは剣の切れる音をあらわし、成功を意味する。
 経津主神は建武雷之男神とともに天神の命を受けて出雲国に降り、大国主神事代主の父子二神に国譲りを交渉して、成功をもたらした。
 古事記では建武雷之男神と経津主神は同神らしく書かれていている。
 経津主神は伊波比主神(いわいぬしのかみ)、斎主神(いわいぬし)とも書く。