広田神社地図

 甲子園球場よりも広い森がこんもりと残る。広田山と呼ばれるその森に包

まれ、廣田神社は鎮まっている。西宮の地名の由来となった神社である。

 創建は201年と伝わる。日本書紀にも記される「三韓遠征」から神功皇后
帰国す
る際、現在の西宮の沖で船がぐるぐると回りだし、先へ進めなくなった。
その時、皇后
がお告げを受け、天照大神霊魂の一つ「荒御魂」をこの

地にまつったのが始まりという。以来,国家鎮護や天地自然をつかさどる神とし
て朝廷
や公家の崇敬を受けてきた。

 京の都の西にあるため「西宮」と称され、それが今の市名につながる。

 現在の本殿は、伊勢神宮荒祭宮の社を1956年に移築し、整備した。
拝殿の屋根
の上には7本の鰹木が並び、神明造りの荘厳さが漂う。

 神社は古来、勝運の神として武家からも信仰を集めてきた。今では、地元を
本拠とす
る阪神タイガースの選手らが毎年、シーズン前に必勝祈願に訪れる。
球団創設時からの
恒例行事で、境内にはタイガースのマークがついた絵馬や

酒だるも並ぶ。

 群生する約2万株のコバノミツバツツジは3月下旬から4月初旬が見頃。
2011-2-21  朝日新聞
  (深松真司)


神明造りの拝殿。屋根に鰹木が並び、荘厳な直線美を見せる

森に包まれるように立つ社殿

西宮に住んでいた俳人·山口誓子の句碑も境内に残る

境内には阪神タイガースのマークが入った絵馬も納められ

ている