11 うま酒 三輪の山
歌 額田王 筆 千田憲 地図 |
長歌 味酒 三輪乃山 青丹吉 奈良能山乃 山際 伊隠萬代 道隈 伊積流萬代尓 委曲毛 見管行武雄 敷々毛 見放武八萬雄 情無 雲乃 隠障倍之也 反歌 三輪山乎 然毛隠賀 雲谷裳 情有南畝 可苦佐布倍思哉 |
うまさけ みわのやま あおによし ならのやまの やまのまに いかくるまでに みちのくま いさかるまでに つばらにも みつついかむを しばしまも みさけむやまを こころなく くもの かくさふべしや みわやまを しかもかくすか くもだにも こころあらなむ かくさふべしや |
長歌 うま酒 三輪の山 あをによし 奈良の山の 山の間に いかくるまで 道のくま いさかるまでに つばらにも 見つつ行かむを しばしばも みさけむ山を 心なく 雲の かくさふべしや 反歌 三輪山を しかもかくすか 雲だにも 心あらなむ かくさふべしや |
美しい三輪の山、あの山が奈良の山の山の間にかくれるまで、長い道の幾曲りを重ねるまで、 しみじみとふりかえり見ながら行こうものを、幾度も幾度もふりさけて眺めてやろうと思う 山であるに、その山を、無情にも、雲がさへぎりかくすといふ事があるべきか。 三輪山をあんなにかくすのかナア。せめて雲だけでも思いやりがあってほしいものだ。 あんなにかくすといふ事もあるべきだろうか。 うま酒:三輪の枕詞 あおによし:奈良の枕詞 道のくま:道の曲がり角 いさかるまで:い積るまでに 道の曲がり角がいくつも重なるまでに 近江遷都⇒ 額田王⇒⇒⇒ 背景⇒ 三輪山を⇒⇒⇒ |
歌碑19⇒ 三諸は 人の守る山 あしび花咲き 末べは つばき花咲く うらぐはし山ぞ 泣く兒守る山 こうして、大切に育てられた三輪山であった。大和を捨てて都を近江に移さなければならなくなった時に、額田王が悲痛な惜別の歌を作った。 いつまでも見つづけ、賞美しつけることをせめてもの願望としつつ、一行は大和を去った。 同じ歌として 歌碑13⇒、 歌碑30⇒ |
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