21 神山の 山邊真蘇木綿


歌 高市皇子
 巻2−157
筆 入江泰吉

地図
神山之
山邊真蘇木綿
短木綿
如此耳故尓
長等思伎
みわやまの
やまべまそゆふ
みじかゆふ
かくのみゆえに
ながしとおもひき
神山の
山邊真蘇木綿
みじか木綿
かくのみ故に
長しと思ひき
三輪山の山邊にかけて麻の木綿、その短い木綿のやうに、これ
だけの短いちぎりであったに、末長くと思った事であった。

高市皇子が、十市皇女の急逝に三首の歌を作った内の一つ。
あとの二首は、
 や万万弔の 立ちしげ美当る やましみつ 久美にゆか免と 道の志らなく 歌碑14
 
 三諸の 神の神杉 夢にだに 見むとすれども 寝ねる夜ぞ多き
    三輪山の神杉を見るように、せめて夢にだけでも
    十市皇女を見ようとするけれど、悲しみのために眠
    れず、夢さえもみることのできない夜が多いことだ

背景⇒
 
桧原神社から車谷へ下がっていくと、
途中の二本杉の大木の下に、歌碑がある。
(北に向って見た風景)
            大和の青垣
「奈良盆地は遠くに見える生駒山や矢田丘陵、
少し手前の景行天皇陵、さらに右手の巻向、
三輪の山々など幾重にも緑の垣根に囲まれたようになっています。
このあたりは大和青垣国定公園に指定されています。」
(南に向って見た風景)












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