万葉集の中で最も古い歌は4世紀前半の磐姫皇后(いわのひめ)の作と伝えられる歌で、
作った年がわかる最も新しい歌は天平宝字3年(759)に詠まれて大伴家持(おおとものやかもち)
の歌である。
万葉集巻第1の1番歌は、5世紀後半の雄略天皇の歌とされている。ただし、磐姫皇后の
歌も雄略天皇の歌も実作ではなく、後世に詠まれた歌に託して人物像が造形されたと考え
られている。
舒明天皇元年(629)に即位し、飛鳥岡本宮で天下を治めた舒明天皇の歌(巻第1の2からが
実質的な万葉集の始まりとみられ、単純に考えても、1番歌と2番歌の間には約150年の隔たり
がある。 |