大原野神社地図

祭神 建御賀豆智(たけみかずち)命
    天児屋命
    伊波比主命(経津主命)
    比売神
千眼桜
春日造桧皮葺本殿
慶安年間(1648〜1652)に再建
 桓武天皇が延暦3年(784)長岡奠都のとき、
奈良春日大社に参拝する代わりに、便宜上まつったものという。
奈良猿沢池を模した鯉沢池
 藤原道長の娘・中宮彰子も参詣している。そのときには紫式部もつき従ったといわれている。
 小塩山の麓にある大原野神社への行幸で、玉鬘は求婚者たちの顔を見る。いちばん心が動いたのは、
冷泉帝の美しさだった。
しかし、実際に結ばれたのは、色が黒くて髭が多い、いかつい風貌の髭黒大将(ひげくろ)だった。
 大原野神社は、都が奈良から長岡京に遷るちき、ともに新都に移らねばならない藤原氏が自分の一族の氏神として、
新都の西北角にあたるこの山のふところに地を相し、春日様式でもって建てた。
 社殿は小ぶで、美しく朱装されている。境内の林と言い、池と言い、
すべてが古今・新古今の美学で造形化されていかにも王朝風であり、考えてみると奈良の春日神社といい、
河内枚岡の元春日と言い、藤原氏の神社というのは総じて華やかなところに共通性があるようにおもえる。
   街道をゆく(4) 司馬遼太郎 より
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