と、社殿が立ち並び厳かな空気が漂います。 宝物館では重要文化財を
はじめ白山信仰の歴史を物語る貴重な宝物を見ることができます。 

祭神　　天香山命(あめのかごやまのみこと)

由緒

　天照大御神の御曾孫神である天香山命は、神武東征の折

り武功を挙げ、神武天皇即位後は越後地方の開拓経営を命

ぜられた。当社は越後地方の開拓祖神である命を祭神とし、

越後平野の中央に聳える弥彦山を神奈備とする。その創建

年代は不詳だが、万葉集に「いやひこおのれ神さび青雲の

棚引く日すら小雨そぼふる」「いやひこの神の麓に今日らも

か 鹿の伏すらむ皮服着て角つきながら」の歌が記されてお

り、古くから越後国の守護神として朝野の篤い尊崇を受け

ていたことがわかる。

戦国時代は上杉氏の尊崇を受け隆盛し、江戸時代にも慶

長二十年( 一六一五)松平忠輝より社領五百石が、徳川家光

からも同じく五百石が寄進された。

現在の社殿は、明治末に焼失したため大正五年に再建さ

れたもの、本殿は三間社流造で向拝、回縁高欄・脇障子を

具え、幣殿は三間社流造で大床昇階擬宝珠高欄を付す。い

ずれも銅板葺、四方を木々に囲まれた社殿は荘厳である。

祭神　水無大神(みなしのおおかみ)

由緒

　社名の水無は「みぬし」(水主)または「みずなし」とも読

み、水主の意であるとされる。

古来、飛騨国一の宮として名高く、創始年代は神代にあ

りと社伝にもあるが詳らかでない。

水無神の神体山として仰がれてきた位山(くらいやま・
一五二九m)は、南に流れる水は飛騨川となって太平洋へ、北

に流れる水は神通(じんつう)川となり日本海へ、表裏日本

を二分する分水嶺をなし、当社の奥宮と称している。水無

神は御年神(みとしのかみ)をはじめ他十四柱の神々の総称

で、「作神様」として水源と交通の要衝となる飛騨一帯をは

29美濃、信濃、越中など広く農業左奨励し、民生の安定

を進められた神様で、縁故地に多くの分社がある。

当社は貞観九年(八六七)従五位上を授けられた記事が初

見となり、中世に社領は付近十八ヶ村、社家も十二人と隆盛

した。飛騨国は元禄以降幕府の天領となり、領主,代官の

尊崇たはじめ、一般庶民の篤い信仰を受け、明治維新後は

国幣小社に列せられた。