8 大和は 国のまほろば

歌 倭建命
 古事記・中巻
筆 黛敏郎

地図
夜麻登波 久爾能麻本呂婆
多多那豆久 阿袁加岐
夜麻碁母禮流 夜麻登志
宇流波斯
やまとは くにのまほろば
たたなずく あおかき
やまごもれる やまとし
うるわし
大和は 國のまほろば
たたなずく 青かき
山ごもれる 大和し
美し
 大和はひいでた国だ。
 重なり合っている青い垣、
 山に囲まれている大和は美しいな。

国のまほろば:すぐれた国。
青垣:大和をほめる慣用語。
美し:愛情を感ずるような事物の状態をあらわす。
倭建命が、東国遠征からの帰途、伊勢国・能褒野に至ったとき、故郷の大和の国を偲んで歌ったとされている。
倭建命ほこの能褒野の地で亡くなった。くわしく
この歌謡碑は、五線符に音符とこの歌が刻まれた珍しいものである。
大美和の杜(おおみわのもり)の展望台からの大和平野の眺望はすばらしい。
南西に左から、金剛山葛城山・岩橋山・二上山の連嶺が配され、
その前に大和三山畝傍山耳成山を見る。
香具山は画面の左端に位置することになる。
右端に箸墓古墳が横たわる。
三輪のシンボルとなっている大鳥居が見える。
国道169号線に面しており、耐候性鋼板製で、高さ32mもある。
平成18年に、宝物収蔵庫の南側に移され、見易い場所になった。