大物主の神の御子 神武天皇が皇后となさるべき嬢子(おとめ)をお求めになった時に、大久米の命 ある時七人の嬢子が大和の高佐士野で遊んでいる時に、この伊須気余里比売も混 そこで大久米の命が、その伊須気余里比売を見て、歌で天皇に申し上げるには、 倭の 高佐土野を 七行く 嬢女ども 誰をしまかむ 大和の国の高佐士野を 七人行く嬢子たち、 その中のだれをお召しになります この伊須気余里比売は、その時に嬢子たちの前に立っておりました。天皇はその嬢子 かつがつも いや先立てる 兄をしまかむ まあ一番先に立っている年長の娘を妻にしましょうよ。 ここに大久米の命が、天皇の仰せをその伊須気余里比売に伝えました時に、比売は 天地 ちどりましとと など黥ける利目 天地間の千人勝りの勇士だというに、どうして目に黥をしているのです。 と歌いましたから、大久米の命が答えて歌うには、 嬢女に 直に逢はむと 吾が黥ける利目 お嬢さんにすぐに逢おうと思って目に黥をしております。 と歌いました。かくてその嬢子は「お仕え申しあげましょう」申しました。 その伊須気余里比売のお家は狭井河のほとりにありました。この比売のもとにお 葦原のしけしき小屋に 菅畳いやさや敷きて わが二人寝し 葦原の韋の繁った小屋に 菅の蓆を清らかに敷いて、 二人で寝たことだったね。 かくしてお生まれになった御子は、日子八井の命・神八井耳の命・神沼河耳(綏靖天皇) 神八井耳命
|
伊須気余理比売 | = | 媛蹈鞴五十鈴媛命 | 吾平津媛命 | |||
六御県ー古代天皇家の基盤ー | 大和へ 神武東征 | 神武天皇陵 | 大和へ 神武東征 | 神武天皇社 | 大和へ 神武東征 | |
降臨 | 大物主の神の皇子 | 率川神社 | 橿原神宮 | |||
葦原の | 狭井河よ | 大久保神社 | 鴨都波神社 続き | |||
山辺の道 | 王権を確立した巣神天皇 | 狭井河よ 雲立ち渡り | ||||
多神社 | 神武東征 |
当芸志美美の命の変(手研耳命・たぎしみみのみこと) 天皇がお隠れになってから、その庶兄の当芸志美美の命が、皇后の伊須気余理比売 狭井河よ 雲起ちわたり 畝火山 木の葉さやぎぬ 風吹かむとす。 狭井河の方から雲が立ち起こって、 畝傍山の樹の葉が騒いでいる。 風が吹き出しますよ。 畝火山 昼は雲とゐ 夕されば 風吹かむとそ 木の葉さやげる。 畝傍山は昼は雲が動き、 夕暮れになれば風が吹き出そうとして 樹の葉が騒いでいる。 そこで御子たちがお聞きになって、驚いて当芸志美美を殺そうとなさいました時 かくして神八井耳の命が弟の建沼河耳の命に国を譲って申されるには、「わたし
|